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地下洞窟には、巨大な船が造られていた。
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彩女は適当な所へ身を隠し、遅れてやってきた力丸に手招きをした。
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| 香我美 | 
「
いよいよ完成じゃ 
 この巨大船が妾の夢を乗せる…
」 |   
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| 香我美 | 
「
そうだ 
 これで漸く陽の当たる場所に 
 出られる 
 自らの意思で生き 
 自らの意思で死ねる
」 |   
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血相を変えて、陽炎座忍者がやって来た。
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| 香我美 | 
「
騒々しいぞ! 
 我等が門出に無粋であろうが!
」 |   
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| 般若忍者 | 
「
洞窟内に曲者が… 
 おそらくは東の者かと
」 |   
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| 香我美 | 
「
無粋な者が絶えぬ 
 皆の者に伝えよ 
 出航を早める 
 狙うは郷田が城!
」 |   
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| 香我美 | 
「
青龍 
 何故妾が郷田を攻めるか 
 分かるか?
」 |   
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その理由は力丸と彩女はもちろん、龍丸にも分からないでいた。
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| 香我美 | 
「
我等は武士の影といて 
 虐げられ(て)生きてきた 
 今こそ旧き掟から解放され 
 天下に吠える時がやって来たのだ 
 いずれ郷田の存在は 
 その邪魔となろう 
 門出の足掛かりとする為 
 血祭りに上げねばならぬ 
 陽炎のごとく 
 天下を照らすのだ…
」 |   
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