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 ◆ 〜第一幕〜 ◆
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紅蓮
 
武家社会において、 
代々家督はその実子が 
受け継ぐ慣わしである。 
だが、その実権を巡り 
幾度と無く血で血を洗う 
骨肉の争いが生まれた。 
郷田家もまた例外では無い。 
直系松之信が継ぎし事を 
不服とする叔父の基秀は、 
松之信に反旗を翻した。 
この内乱は郷田家を 
二分する戦へと発展する。 
事態を重くみた筆頭家老、 
関谷直忠は、陰にて郷田家に遣える 
東忍流頭領 
東紫雲斎へ遣いを出した。 
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 ◆ 〜第二幕〜 ◆
力丸、彩女
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流砂
 
多数(あまた)の死傷者を出した基秀の 
内乱から、およそ三ヶ月の時が 
過ぎようとしていた。 
幸いにも夜雨により全焼を免れた 
郷田城は、現在急速な 
復旧作業が行われている。 
また、郷田松之信は内乱時の傷を 
癒す為、東忍びの里にある 
秘湯を訪れていた。 
一方、荒波へと消えた龍丸の安否は 
未だ定かでは無かった。 
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 ◆ 〜第二幕〜 ◆
龍丸
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流砂
 
鹿角岬での死闘の末、 
激波の海に飲まれた龍丸は、 
宿敵である香我美の手により 
一命を救われる事になった。 
香我美の二ヶ月に及ぶ手厚い 
看病により、龍丸の体は癒えたが、 
失われし記憶が戻る事は無かった。 
己が何者であるかも分からず、 
ただ陽炎座の一員として 
過ごす日々が続いていた。 
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 ◆ 〜第三幕〜 ◆
力丸
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幽玄
 
一昼夜を賭して 
郷田城へ帰り着いた力丸は、 
松之信に事の顛末を告げる。 
郷田家の重臣達は招集され、 
その対策を講じる為の 
軍議が開かれた。 
敵の戦力が計り知れない状況に、 
皆慌てふためくばかりであった。 
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 ◆ 〜第三幕〜 ◆
彩女
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幽玄
 
陽炎座は明国人から得た 
技術によって、山さえも崩し去る 
大筒を備えし巨大船 
「焔口鬼」を作り上げた。 
特定の領土を持たぬ陽炎座にとって、 
この船が覇を唱える拠点となる。 
忍びを掟から解放する為、 
忍びの世を創る夢の為 
彼らは大海原を馳せる。 
そして、その巨大な砲口は 
今まさに雄叫びを上げようと 
郷田城へ狙いを定めた。 
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 ◆ 〜第三幕〜 ◆
龍丸
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幽玄
 
満を持して陽炎座は 
隠し続けた牙を露わにした。 
万感の想いを乗せ、巨大船「焔口鬼」は 
郷田城下へと向かう。 
全ては忍びの世を創る為。 
奮迅する彼らの先に 
見えるものは果たして何なのか。 
穏やかな海原が荒波へと変り、 
これから始まるであろう 
壮烈なる死闘を予感させた。 
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