□ 天誅弐 デモメッセージ 龍丸ステージ二 □

■ 戸田の首を取れ ■
内乱に乗じ、隣国の戸田が挙兵。
この危機を打破する為、戸田家君主 戸田義貞の首を狙う。

一、櫓に備えし弓兵に警戒せよ
一、鳴子の罠に注意すべし
一、強敵に備え、忍具を携帯を怠る無かれ

〜 任務開始時 〜
青龍を始末した龍丸は、窓から城の中へ入り込んだ。
その部屋には、ぐったりとした奥方と、彩女がいた。
龍丸 彩女…奥方様は…
彩女 基秀が奥方様を…
 姫様が連れ去られた!
 あたいは奴を追う!
彩女はそういうと、窓から外へと飛び出した。

燃え盛る郷田城に、筆頭家老関谷の姿があった。
関谷直忠 何奴!
龍丸 東紫雲斎が弟子
 龍丸に御座います
関谷直忠 おぉ!龍丸じゃったか
 急な呼び出し、済まなんだな
龍丸 関谷様
 一足遅く…奥方様はお亡くなりに…
関谷直忠 何と!
龍丸 加えて、姫は何処かに…
 基秀の仕業かと…
 申し訳御座りませぬ
関谷直忠 何たる事じゃ…
 だがお主の責ではござらぬ
 家老である儂の手配が
 悪かったのじゃ
龍丸 …彩女が姫の救出に
 向かっておりまする
関谷直忠 殿はどうじゃ
龍丸 力丸に向かわせましたが…
橘十兵衛 殿はご無事!
奥から出てきたのは、郷田家の剣術指南役、橘十兵衛であった。
関谷直忠 おぉ、十兵衛か
橘十兵衛 基秀によって深手を負って
 おりまするが
 御命に別状ないかと…
関谷直忠 なんと!
 …だが、生きておられる事が
 不幸中の幸い…
橘十兵衛 だが関谷殿
 基秀に呼応するように
 戸田が兵を進めて参った様で御座る
関谷直忠 何?戸田が…!
 動きが速すぎる
 まさか、基秀様の背後には
 戸田義貞が…!
龍丸 恐らくは結託しているものかと…
 基秀と共に戸田子飼いの忍を
 見かけました故
関谷直忠 まさに郷田家存亡の危機じゃ
 如何致したら良いものか…
龍丸 拙者にお任せ下され
 獅子身中の虫共々
 戸田が首貰い受けて参ります
関谷直忠 …体制を整えるには
 時間が必要じゃ…
 頼むぞ
龍丸 ハッ!

戸田の陣へと赴いた龍丸、何やら不穏な空気が満ちている。
龍丸 只ならぬ気配がする
 戸田は何処に…

〜 戸田の本陣前に到達時 〜
戸田本陣にて──
戸田兵 殿、基秀の躯は
 如何いたしましょうか
戸田義貞 捨て置けい
 それより、皆の者に伝えよ
 夜明けを機に
 郷田城に攻め入るとな
戸田兵 ハッ!
戸田義貞 目の上の瘤であった
 郷田もこれまで
 これを皮切りに
 天下でも狙うてみるかのぉ
 ハハハハハハハハハハハハハ…
その時龍丸は、戸田の背後に降り立った。
戸田義貞 ん?お主は誰じゃ?
龍丸 貴様には天下ではなく
 地獄が似合っておる
戸田義貞 曲者じゃ!
 出会え!出会えぃ!
戸田の声に、戸田の兵士が2人駆けつけてきた。

※ 戸田登場後にやられた時
戸田義貞 修羅場を潜り抜けてきた儂が
 忍びごときにやられると思うてか
 ハハハ、ハハハハ、
 ワハハハハハハハハハ
 ハハハハハハハハハ…

〜 戸田戦に勝利した時 〜
戸田義貞 バ、バカな…
 この儂が…
 このような所で…
 グ…ォォ…
その時、香我美が本陣内へ入ってきた。
龍丸 遅かったな…
香我美は突然、瀕死の戸田を掴み上げた。
思いもよらぬ行為に、龍丸は少し動揺する。
龍丸 何を!?
長い刀で戸田を突き刺し、息の根を止める香我美。
戸田の骸は、地に転がった。
香我美 よくやってくれた
 仇敵を倒してくれて感謝するわ
 はははははは
香我美は満足そうに、その場を走り去った。
龍丸 待て!
香我美を追ってきた龍丸は、断崖絶壁の上に到達した。
香我美がたいまつを海に放り投げると、海からたいまつとともに
歓喜の声が次々と聞こえてきた。
香我美 ハハハハハ
 邪魔者は消えた
 我ら、この時をもって
 陽炎座と名乗る
 表舞台へと躍り出るのだ
 忍びの世の幕開けだ!
香我美は龍丸の方を振り向いた。
香我美 …少しは気が変わったか?
香我美の誘いに反発し、龍丸は静かに構える。
香我美 ……
 いずれは敵となるならば
 今ここで、お前の命貰っておくわ
 門出の餞としてな…
 あっはは
 あははは

※ 香我美登場後にやられた時
香我美 柵に囚われなければ
 生き長らえたものを…
香我美は、断崖絶壁の海に龍丸を斬り落とした。

〜 香我美戦に勝利した時 〜
激しく武器を打ち付けあう龍丸と香我美。
彩女がやってきたようだったが、龍丸は気がつかないでいた。
豪雨降りしきる中、雷が両者を照らす。
その時、両者の立っている崖が、ゆっくりと沈み始めた。
彩女 龍!
龍丸と香我美の立っている崖が、次第に崩れ去っていく。
龍丸 お、おぁ、
 おぁっ!
次の瞬間、二人が立っていた崖は、荒波へと崩れ落ちて行った。
龍丸と香我美を、絶海の海に道連れにしながら…!
龍丸 おあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…
香我美 あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…
『ドバ〜ン!』
大きな音を立てながら、崩れ去った崖とともに
二人の姿が消え去ってしまった。
彩女 龍丸──!
彩女はすかさず崖から身を乗り出した。
海には、龍丸の右腕に巻いてあった鉢巻が、荒波の上を泳いでいた。
彩女は、がっくりと肩を落とした。
海の中を漂う龍丸─
龍丸 う…ぅ…
 体が…動かない…
 む…無念…
龍丸は、次第に意識が遠のいていった。
二人はとある島へ流れ着いたようだ。
香我美は、気を失った龍丸をひきずって浜辺へ上がった。
香我美 ハァ…ハァ…ハァ…
香我美は息切れしながら砂浜へ龍丸を転がすと、
刀を抜き、切っ先を龍丸へ向けた。
香我美 はぁっ!
下へ突き刺した刀は、龍丸の横をすり抜け、砂浜へ突き刺さった。
香我美は刀を指したまま徐にしゃがみこみ、龍丸の口へ息を吹き込んだ。
龍丸 ガハッ、グハッ、グハッ…
 誰だ?
香我美 何?
息を吹き返した龍丸は、突拍子もなく言葉を発した。
香我美は、少し戸惑った。
龍丸 俺は…誰なんだ…
 何も…思い出せん…
龍丸は再び気を失った。
香我美 おい、悪ふざけはやめろ
 …起きろ!
起きる様子のない龍丸。
香我美はやむなく、重い龍丸を背負いながら歩き出した。

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