なぜこれほど人気なのか

「涼宮ハルヒ」といえば、普段小説やアニメを見ない方であっても、
名前くらいは聞いた事のあるタイトルですよね。
「そのジャンルに疎い人でも名前は聞く」というのは、そのジャンルでは特に有名である証拠といえます。

サッカーに興味のない人でも「カズ」や「中田」は知ってますよね?
F1に興味がなくても「シューマッハ」は聞いた事ありますよね?
ゲームに全く興味のない人にも「ドラゴンクエスト」は知れ渡っています、それと同じ事です。

どうしてここまでの人気が出るまでに至ったのでしょうか?
少し拙いながらも、考察してみたいと思います。

原作の人気

まず原作のライトノベルですが、第8回スニーカー大賞で最高の賞である「大賞」を受賞しています。
この大賞は「該当作ナシ」の場合が大半で、2008年開催分までに13回中3回しか選ばれていない狭き門です。
しかも参加した会議者の全会一致で決まったというのですから、
出版関係者からみても、いかにこの作品が評価されているか、ということが分かります。
Wikipedia:スニーカー大賞

さらに涼宮ハルヒシリーズは『このライトノベルがすごい!』2005年版 作品部門1位を獲得。
2006年版:6位、2007年版:2位、2008年版:2位と、2005年版から4年連続でベスト10入りした唯一の作品です。

ライトノベルというジャンルは、小説ではあるのですが少し特徴的で、
恋愛、SF、ファンタジー、ミステリー、ホラーと様々なものを含みながらも、
ライトノベルを原作としたアニメ化や漫画化などのメディアミックスが盛んです。
小説とひとくくりにしたとしても、ライトノベルのメディアミックスの多さは特筆ものです。
完全ではないにしろ、ライトノベルは文学の独自のジャンルとして確立しつつあるのではないでしょうか。
小説好きの人の中でも、特に「ライトノベル好き」というタイプの人もいるくらいです。

まず涼宮ハルヒの人気の1つに、ライトノベルというジャンルが
昨今では特に注目されているという点があると思います。
愛好者も以前と比べればかなり増えてきたように思います。
その中で第8回スニーカー大賞を受賞したということで、角川出版側も宣伝に力を入れたため、
ライトノベルを好む層に広く受け入れられたのでしょう。

そして2009年2月の時点で、シリーズ9作で累計560万部売れています。
この売上の数字が、人気作である何よりの証拠でしょう。
しかも未だに毎日売れ続けています、日本の本屋のどこかでは
今日も誰かが涼宮ハルヒシリーズを買っていくのです。

この作品を知らなくても、本屋で働いている人は皆売れ筋商品だということを知っています。
私も本屋で働いていたことがあり、実際よく売れていたと確信を持って言えます。
本当に毎日のように売れていました。何なら本屋の店員さんに聞いて見てください。

アニメの人気

原作のみならず、アニメでも大好評だった点は非常に大きいでしょう。
今ではアニメから涼宮ハルヒを知り、原作がライトノベルであることすら知らない人も増えています。
アニメ単体でもこれだけの支持を受けた意味は大きいと思います。

私はアニメの専門化ではありませんが、アニメを好む人がアニメを品評する際には、
絵・キャラ・声優・使用楽曲・ストーリーなど、いくつかのポイントをチェックするそうです。
しかし昨今ではアニメのクオリティも上昇し、全体的に完成度が底上げされてきているようです。
好みも含めて一部のアニメでは不評は未だにあれど、それでもやはりアニメを好む人は減りません。

その状況の中で、この涼宮ハルヒアニメの最大の特徴といえるのは「意外性」にあります。
ただ単純に放送しただけでは、数多くの高クオリティ作品の中で「良アニメ」という評価だけで
うずもれてしまいがちです。そこで京アニはファンの意表を突く作戦を実行してきました。

まずアニメ第一期ですが、なんと放送順序を意図的にずらしています。
時系列シャッフルと呼ばれるものですが、普通に考えるとこれはびっくりです。
何せ第1話の時点でかなり先の話です。次の2話でようやくオープニングが開始。
さらにその次は、見た事がないキャラが普通にレギュラーで物語に加わっている。
もう一見さんは訳が分かりません。

監督の石原立也氏は、放送順を時系列順と異なるものにした理由について、
「原作に忠実」と「原作ファンに対するサプライズ」を両立させるためだと語っています。
すなわち原作に忠実であるほど、原作を読んでいない視聴者には親切であるが、
ストーリーを既に把握している原作ファンにはつまらないものとなってしまう。
一方、原作ファンに配慮してアニメオリジナルの要素を加えるのは、
原作の雰囲気を壊す危険を伴う可能性がある。
そのため、原作ファンにも「サプライズ」を提供しようとした結果が、
この放送順であるといわれます。

次回予告は、時系列順に話数を言うハルヒに対し、毎回キョンがテレビ放映順での
話数とサブタイトルを言って訂正する形式であるなど、
時系列シャッフルを含めた最大限の演出がこのアニメには加えられています。
アニメ好きな人は、似たような展開に飽き飽きして退屈していますが、
このサプライズで注目を集め、興味を持った人が多かったのではないでしょうか。

さらに放映されたアニメは全てDVD化されました。
しかもDVDに収録されている作品は本来の時系列順に戻されており、これはもう一度
DVDで時系列順に見直した結果、視聴者に新たな発見があるようにしたためだといわれます。

そして2009年度の第二期です。これもまたサプライズでした。
何せ放送が開始されてから、「再放送」とも「新作」とも告知がなく、
公式側の情報は何一つメディアに伏せられたままでいました。

再放送かもしれないとファンは見るわけですが、何の告知もないまま、
突然に新規エピソードが放映され、そこで初めて「新作」であったと気が付くわけです。
ここでまたファンは意表を突かれました。

「面白い演出が1つあったから、これからも何か面白い演出があるかもしれない」と
つい期待を込めて見てしまい、それによって人気が後押しされたのかもしれません。

ハレ晴レユカイダンス

さらにアニメで特筆すべきは、オープニングとエンディングで使用された楽曲と、
エンディングでのハレ晴レユカイダンスでしょう。
キャラにベストマッチした声優も評価が高く、さらにその声優たちは歌唱力も高かったため、
キャラクターイメージソングはオリコンでも上位につけるなど、音楽もかなりの好評でした。

このハレ晴レユカイダンスは、音楽に合わせキャラクターが楽しそうに踊っている映像で、
しかも若干難しいながらも踊ろうと思えば踊れる内容であったため、実際に踊ってみる人が急増しました。

折しもニコニコ動画ではそういった作品の「歌ってみた」「踊ってみた」動画が好評であり、
ハレ晴レユカイダンスも例外なく大量に投稿されることになり、
ニコニコ動画のみならず、Youtubeにも投稿が増えました。
これも大きな宣伝効果を生み出していたと言えるでしょう。

原作とアニメ以外

涼宮ハルヒシリーズのメディアミックスとして特に人気があるのは、
原作ライトノベルとアニメですが、他のメディアミックスも好評ではあります。

原作を元にした漫画版は、みずのまこと版は不評でしたが、
ツガノガク版は既刊8巻で累計250万部を突破するなど好評です。
さらには関連書籍も多く出ており、雑誌、ファンブック、キャラクターブックの他、楽譜もあります。
ラジオ番組も放送されており、CDにも収録されました。

音楽CDに関しては、各キャラの声優が個別に歌うキャラクターイメージソングが好評であり、
毎回オリコンチャートの上位にランキングするなど、異例の売上を記録していました。
これにより、音楽しか興味のない人でも、涼宮ハルヒの名前を目にする機会が増えました。
これは大きな宣伝効果だったと思います。

ゲームに関しては現時点で5作品出ていますが、2作目「涼宮ハルヒの戸惑」は
初回で10万本の売上を記録しています。昨今のゲームは10万本いけば十分人気ゲームです。
しかしゲーム化の場合は、アニメとはほとんど関係のない開発陣であり、
原作やアニメのような演出がなく、ネタも十分なものではなかったために、
それ以降のゲームの売上は伸び悩んでいるようです。これは少し残念ですね。
原作を忠実に表現したゲームであれば、もう少しは注目されていたかもしれませんが。

これは他の作品でもそうですが、実用的グッズも沢山販売されています。
キーホルダー、コスプレグッズ、ジグソーパズル、アクセサリー…。
中でもフィギュアはかなりの数の商品があり、(フィギュアは他の作品でも数が多いが)人気が伺えます。

これらを見て考えるに、この作品の登場人物のキャラクター性の明確化も大きかったかもしれません。
キャラ設定は原作によるものですが、キャラクター商品化しやすい登場人物が多かったからこそ、
メディアミックスでも成功できたのかもしれませんね。
その証拠に今でも同人で題材にされたり、コスプレが好まれたりしています。
こういったいわゆる「オタク層」も取り入れているからこその人気とも呼べます。


■ TOPに戻る | ▲ このページの一番上に移動

涼宮ハルヒの概要

〜初めての方に〜

〜シリーズ全般情報〜

〜人気コンテンツ〜

涼宮ハルヒの放映

〜アニメ映画〜
涼宮ハルヒの消失
祝! 映画化決定!

涼宮ハルヒの映像

〜アニメ第二期
『涼宮ハルヒの憂鬱』

〜アニメ第一期〜
『涼宮ハルヒの憂鬱』

〜涼宮ハルヒちゃん〜
の憂鬱

〜にょろーん☆〜
ちゅるやさん

〜アニメ全般〜

涼宮ハルヒの書籍

〜書籍全般〜

〜小説〜

〜漫画〜

〜洋書〜

〜派生作品〜

〜関連本〜

涼宮ハルヒの電波

〜ラジオ放送〜

涼宮ハルヒの遊戯

〜家庭用ゲーム〜

〜ゲーム関連品〜

〜トレーディングカード〜

〜非公式〜

涼宮ハルヒの音楽

〜サントラ・CD〜

涼宮ハルヒの商品

〜物語作品〜

〜フィギュア他〜

涼宮ハルヒの同人

〜同人等〜

涼宮ハルヒの動画

〜ニコ動・Youtube〜

涼宮ハルヒの考察

〜考察・メモ等〜

涼宮ハルヒの雑記

〜その他の情報〜



サイト内検索

涼宮ハルヒの同好

〜コミュニティ〜

About this site
涼宮ハルヒの連結

〜リンク集〜

涼宮ハルヒの品揃

2009-09-30発売
TVアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」新キャラクターソング Vol.1
TVアニメ
「涼宮ハルヒの憂鬱」
新キャラクターソング Vol.1
涼宮ハルヒ(平野綾)


2009-09-30発売
TVアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」新キャラクターソング Vol.2
TVアニメ
「涼宮ハルヒの憂鬱」
新キャラクターソング Vol.2
長門有希(茅原実里)


2009-09-30発売
TVアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」新キャラクターソング Vol.3
TVアニメ
「涼宮ハルヒの憂鬱」
新キャラクターソング Vol.3
朝比奈みくる(後藤邑子)


2009-08-28発売
涼宮ハルヒの憂鬱4 笹の葉ラプソディ (第1巻) 限定版 [DVD]
涼宮ハルヒの憂鬱4
笹の葉ラプソディ
(第1巻) 限定版 [DVD]


2009-08-28発売
涼宮ハルヒの憂鬱4 笹の葉ラプソディ (第1巻) 通常版 [DVD]
涼宮ハルヒの憂鬱4
笹の葉ラプソディ
(第1巻) 通常版 [DVD]


2009-07-22発売
Super Driver
Super Driver


2009-08-05発売
涼宮ハルヒの記憶
涼宮ハルヒの記憶


2009-08-05発売
涼宮ハルヒの記録
涼宮ハルヒの記録