宮崎の船旅


●東国原氏によって大きく観光誘致に成功した宮崎。
  何もない田舎だけど、穏やかで親切な人々は、災害にもめげず日々を暮らしている。


宮崎県庁 馬ヶ背

宮崎の船旅 目次

タイトル 旅行日時 都道府県 旅行先・観光したもの 移動
手段
メンバ
備考
宮崎の船旅 2010/10/30
〜10/31
宮崎 宮崎県庁、西都原古墳群、
馬ヶ背、クルスの海、大御神社
フェリー
+観光バス
1人旅 1万円
格安ツアー

宮崎県庁〜西都原古墳群

フェリー泊の往復、大阪〜宮崎行きで1万円というツアーがありまして、しかも1人参加でも追加料金なし、
雑魚寝の2等室の1つ上のグレードで2段ベッドの2等寝室、バスによる観光付き、昼食は炭火地鶏付きと、
これだけの内容でこの値段は安いと、参加してみることにしました。
東国原知事が観光に力を入れていることもあり、この値段が実現したようです。

この頃の宮崎は口蹄疫問題で揺れており、家畜が大量に処分された後でありました。
以前には鳥インフルエンザあり、その後の火山の噴火あり、宮崎も災難続きですねぇ。

フェリーは小さい頃に淡路島に行くときに乗ったきりで、余りにも昔の話なので、私には記憶がありませんでした。
観光用のフェリーは乗ったことがありますが、今回はそれとは違い、当然車も乗せられ、人も宿泊できるフェリーでした。

出発は南港にあるかもめフェリーターミナル。
そういえばここで指名手配犯が捕まったんでしたっけ?


物心ついた後にフェリーに乗るのは初めてだったので、ワクワクします。


飛行機と同じく、通路を渡って船内へ入っていけます。
  

船の上。


いよいよ出発。
夜の大阪湾ですね。


この日は若干距離はあるものの台風が近づいて来ていて、海に影響があるかなと思いきや、ほとんど通常通りだったようです。
意外にも帰りの出航で、通り過ぎ際の台風の影響があったくらいです。

寝泊りできるフェリーがどんなものかというと、民宿とまでは行きませんが、ビジネスホテルのような施設が海の上に
浮かんでいるようなイメージです。

共同ではありますがトイレも風呂もあり、レストランも土産屋も揃っていて、小さいながらも滞在が可能な施設という感じでした。

私が寝泊りした船室はこんな感じ。
2段ベッドが左右それぞれ3セット。合計12人が1部屋で寝ます。
これは入り口のドアを正面に捉えたもの。


ドア側から見たものです。


どの部屋も満室ということはなく、各部屋、何人か分のベッドには空きがありました。
中にはベッドではなく雑魚寝の方がいいということで、2等室に移る人もいたようです。

部屋からデッキへの通路。
奥の扉を抜ければ、外に出られます。


こんな感じで船室が並んでいます。
揺れた時のために、壁には手すりも付いています。


トイレにはこんなものも。


翌朝の海。


だんだん陸が見えてきました。


着岸を待つ客たち。
年配の方の半分近くは、まだ時間がかかりそうなのにもう出口で待っていました。
中には30分近く待っていた人もいました。


この日はあいにくの雨。
船を下りるとすぐ前の道路に観光バスが停まっていました。
バスに乗り込む際、男性の係員が「あなたが今回一番若い人です」と告げてくれました。
まぁ要するに私以外は、おばちゃんとご老人しかいないってことです。

バスの添乗員さんも年齢は40前半だそうで、スタッフ含めても私が一番最年少らしい。
何か私も一気に老けそうで怖い。

まぁ私の頭頂部の髪の薄さはこの中の誰にも負けていないんですがね

まずは宮崎県庁へ。
この当時はまだ東国原さんがギリギリ在任中でした。

バスが市街地を通ります。


これが宮崎県庁。
元々、日本全国でも指折りの古い県庁だったそうですが、東国原さんが知事になった後、一気に一大観光地に。


この日は日曜日だったので、県庁自体は休日でした。
ですが県庁の入り口にはいつも、東国原さんのパネルと人形があります。
完全に記念撮影用ですね。
  

東国原さんがここにいるのは平日なんですが、それでもばったり会うことはほとんどないそうです。
平日にツアーに参加したとしても、会える可能性は15%くらいらしい。
うちのバスのガイドさんもまだ会ったことがないとか。

観光として県庁に入るなんて、そんなにないことですよね。
本来観光資源には成り得ないものまで観光に組み込めるとは、これも東国原効果か。

県民室もあるんですね。


少し雨が弱まりましたので、外に出て撮影。

「宮崎県庁」ではなく「宮崎縣廰」。
時代を感じさせます。
  

次に向かったのは、西都原古墳群。
この辺りはこの時期、コスモスが多く咲いています。


この日はたまたま何らかのイベントがあったようで、人が集まっていました。
バスの運転手さんがこの辺りの育ちらしく、その人が言うには、
これほどここに人が集まった光景を見たことがない、ということらしいです。

一面のコスモス。


古墳の周りにも、オブジェが置かれていました。
何かのコンクールの作品のようです。


見るからに古墳、という感じ。


古墳の中央へは、階段で下っていきます。
古墳の内部。特に何かがあるわけではないようです。


古墳の広場では、職人グループでしょうか?
業者単位?で商品を展示していました。


ポン菓子の無料配布コーナーもあり。私もいただいてきました。
結局これは帰宅後、うちの親戚の子供が気に入って食べてしまいましたが。


スタジオも設置されていました。


昼食もコースにはあったのですが、きっと今のうちしか食べられないであろう、宮崎牛の串焼きを買って食べました。


切れ目は入っていない1塊の肉なんですが、歯で挟むと簡単に切れました。
食感もしっかりした肉という感じで、なかなかのお味でした。

でも口蹄疫問題でこの辺りには家畜がいないはずなんですが、この肉は果たして本当に宮崎牛なんでしょうか?

奥の通路までテントは続いていました。
木組製品ばかりだったので、私も全ては見ていませんが。


駐車場の近くにある建物には、観光案内所が入っています。


他に、レストランとお土産屋がありました。


側の小屋はライブの練習場になっていました。


出発まで時間があるので撮りました、我々が乗った観光バスです。


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昼食:はまぐり碁石の里〜馬ヶ背〜クルスの海〜大御神社

さて昼食へ。しかしここでハプニング。なぜか向かった先は「はまぐり碁石の里」。
地鶏と聞いていたのに、事前連絡なしで、ハマグリご飯に変更されていました。
うーん。これは話が違う。
添乗員の人も知らなかったのか、全く悪びれ無しです。


食事のときに判明しましたが、どうやら1人参加しているのは私を含めて5人のようです。
バス2台分の人数がいて1人きりが5人。多いと見るや少ないと見るや?

同じく1人参加のおばちゃんが「地鶏ちゃうんや、騙されたな」とつぶやいていました。
ということは、参加者は私と同じパンフレットを見ていたということになります。
その上で、思っていることは同じであるようです。

食事が楽しみだったんですが、まぁ格安ツアーなので特に文句を言う気にはなれません。
2Fのレストランにて早々に食事を済ませ、1Fの土産コーナーへ。
小さい地鶏の欠片を試食できたので、しゃーないのでこれで我慢。

この土産屋なかなかの繁盛振りでした、どうやらうちのツアーの客の多くが購買意欲の強い人が
多いようで、その人らはこのツアーでかなりの金額を宮崎に落としたのではないかと思います。


ここは碁石売り場。
碁石の白石は宮崎のはまぐりを素にして作られているそうです。
  

こんな感じですね。


さて次に向かうは馬ヶ背。

バスガイドさんが言うには、福井出身の人が来た時に、東尋坊よりここは素晴らしかったと言っていたそうです。

しかし実際、両方を見たことがあるうちのツアーの観光客は、やっぱり東尋坊の方がすごいと言っていましたが。

展望台まで少し歩きます。


写真に全容が納まりきらないくらい大きいんですが、こんな形の崖になっており、海から流れてくる波が豪快に入り込んできます。
この崖が馬の背に似ていることから、その名がついたのだとか。
  

さらに奥へ進むと海が見えます。


この辺りの海岸線は特殊な構造をしています。
岩石がそもそも独特なようですね。


さらにバスでちょっと進むとあるのが、クルスの海。

左の小島が「口」、右の入り江が「十」となり、あわせて見ると「叶」という字になっています。
ちょっと無理やりな観光地です。


そしてさらにその無理やりを発展させ、「願いが叶うクルスの鐘」が設置されました。


この鐘を鳴らすと願いが叶うというので、観光客は皆鳴らしていました。
どう見てもこじつけにしか思えないのですがね…。


ここはデートスポットにもなっているようで、バスガイドさんも数年前、彼氏とここを訪れたそうですが、
その後別れて今でも独身だそうです。

今回のツアーは海側の観光スポットを巡るものだったようで、以前は内陸側のスポットを訪れるツアーもあったそうです。

結局観光時間、つまり宮崎滞在時間はほんの6時間程度で、ほとんどの時間を船で過ごした感じでしたね。

バスガイドさんが言うには、「私は宮崎で3本の指に入るバスガイドです」とのこと。
理由はなぜかというと、宮崎には3人しかバスガイドがいないから、らしいです。
若い娘が入社してきても、年増の先輩がいじると、すぐ出て行ってしまうそうです。

最後に訪れたのは日向の大御神社。
  

ここの特徴はなんと言ってもさざれ石。
これが日本で一番大きなさざれ石だそうです。


日本の国家にも歌われている「さざれ石」。
日本の国家の歌詞は世界一短いんですが、国家を全て覚えていない日本人も少なからずいるという不思議。
愛国心の問題でしょうか。


判別が難しいんですが、ここが柱状岩とさざれ石の境界線。
一見よく分かりません。
  

それ以外に、特に何がある神社ではありませんが、私は神社や寺といった建物が嫌いではないので、
この何もなさがそれはそれで良しだと感じています。


これにて観光地巡りは終了。
もうちょい宮崎を観光したかったところなんですが、添乗員さん曰く、団体でバスを停めて観光できる場所があまりないそうで、
結局今回くらいの規模にしかならないそうです。

帰りに立ち寄った休憩所。


このエブリワンというコンビニ、バスガイドさんは日本全国にあるとずっと信じていたようですが、少なくとも大阪では見たことはありません。
後で調べて見ますと九州しか店舗がないコンビニのようです。


コンビニには手作りと思われるパンが売っていました。
宮崎は日本一物価が安いと言われているだけあって、コンビニであっても商品はどれも値段が安かったです。

しかし購買意欲豊富なうちのツアーの客が殺到し、2人しかいない店員は大慌て。
パンも多くが売り切れてしまい、雪崩のように押しかけた我等がコンビニの商品を買い占める勢いでした。


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帰りの船で旅を振り返る

フェリーに帰ってきた時点で、出発までまだ1時間半くらいありました。
もう1箇所くらい観光できそうなもんなんですが、まぁ難しいんでしょうね。
時間があれば、宮崎の繁華街をぶらぶらと歩き回りたかったんですが。

適当に時間を潰していると船が出港。
行きは利用していなかった風呂に入ってみることにします。
船の中で風呂に入るなんて、変な感覚です。

しかしアナウンスによると、台風の影響でやや海が荒れているとのこと。
台風は通り過ぎているはずですが、やはり海だと波の影響が広く伝わるんでしょうね。

そういえば行きの時も風呂を使用禁止にしていた時間帯があったような。
この調子だとおそらく、数十分後には風呂が使えなくなるかもしれない。

というわけで早速入りにいきました。
至って普通の、やや小さめの銭湯という感じ。
それでも船の中とは思えないほど、しっかりした設備でした。

しかしながら、服を脱いでいざ入ろうとしたところから、急に船が揺れだします。
見た目は普通の銭湯なのに、やたらと揺れる揺れる。
時に壁につかまりつつ、床に手を置きつつ移動。
確かにこれが続くようだと風呂は危険です。

湯船に浸かって人心地ついたのも束の間、またも風呂がすごく揺れました。
しかも湯船のお湯が右へ左へ波打ちます。
まるでプールで人工的に起こしているような波が、この狭い湯船で行ったり来たり。

私は今までこれほど揺れた風呂に入ったことがありません。

こんな狭い空間で局地的な波は、人工的に作れるものではないですね。
ある意味では貴重な経験ができました。

その後、やはり危険が伴うということで風呂が使用禁止になりましたが、
私が入っているときでも、十分危なっかしい感じではありましたね。

船で一人旅というのをはじめて体験しましたが、案外とこれもよいものでした。
ただこういうツアーは若い人がほとんどいないので、1人で行くと孤独感が増す気はしますが…。

船の良いところは、夜行バスと違い、横になって寝られることでしょう。
風呂もレストランもあるので不自由しません。
移動速度が遅いのでそもそも到着まで時間がかかってしまいますが、のんびりするのが苦でない人にはありかもしれませんね。

ただ寝ているときに不意に船が揺れたり、常にエンジン音がしているので、快適に眠れる保障はありません。
私は多少の揺れでは起きませんが、他の客は夜中に船の揺れで起こされたと言っていました。
私は揺れよりも、エンジン音が気になりましたね。耳栓で多少はカバーしたものの、それでもちょっとうるさかった。

宮崎は日本で一番物価が安いと言われ、人も少なく、のんびりできるところだと思います。
ただ観光できるところはそれほど多くないので、田舎が嫌だという人は、楽しめないかもしれません。

宮崎の人は本当に素朴な感じがします。
土産屋に入った後も、観光バスが出発の際には、店員さんがわざわざ店の前に出て手を振ってくれました。

宮崎は鳥インフルエンザ、家畜の口蹄疫、このツアーの後は新燃岳の噴火もありましたし災難続きです。
しかしながらそれでもこれだけ観光が盛んになっているのは、偏に東国原さんが知事になったからというのが大きいかもしれません。

九州新幹線の開通によって熊本と鹿児島は人が増えそうですが、
その恩恵を十分受けられない地域でありながら、宮崎は頑張っている感じがします。

大分には温泉、長崎は観光資源が豊富にあり、佐賀はがばいばぁちゃん、
宮崎は東国原さんの宣伝効果で、どうにかなっているということでしょうか。
地域活性化のためにも、九州7県にはこれからも頑張ってもらいたいですね。

観光バスで移動中、バスガイドさんはいろんな話をしてくれました。
以前はバスの窓から家畜がよく見えたそうですが、口蹄疫問題で殺処分したため、
これほど家畜が消えた光景を見たことがなかったそうです。
しかも殺処分した家畜を土に埋めた際、ガスがたまって爆発したこともあったそうで、
今では爆発しても影響がない場所で、土を多く盛り付けるようにして埋めたのだとか。

最も印象深かったのが、東国原さんが知事になる前と、なった後で言い方がまるで変わった事があるそうで、
以前は「この辺りはそのまんま東が子供の頃を過ごした場所です」だったのが、
知事就任後は「この辺りは東国原知事がその昔、幼少期をお過ごしになられた場所でございます」
となったそうで。

今回のツアーは悪くなかったんですが、楽しみにしていた昼食が何の連絡もなしに事前変更になったことを、
そもそも「どげんかせんといかん」と思うツアーでありました。
地鶏が食べられるから選んだんですけどねぇ。

※ちなみに東国原さんは「どげんかせんいかん」と言っているんですよね。
しかもこの言い方をするのは鹿児島地方で、都城は旧薩摩藩領だったため同様に言うのであって、
宮崎市などは「どんげか」と発声するそうです。
宮崎県西都市出身の米良美一さんは、公演の度にこの補足を話しているのだとか。


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